大相撲 石浦10連勝

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験担ぎのひげをそり落として土俵に上がった石浦。「胸を借りるという気持ちではない。いけるという気持ちだった」。大相撲九州場所11日目の23日、三役経験豊富な妙義龍に対し、全くひるむところはなかった。

 立ち合い、「少しでも押し返したら相手も焦るだろうと思った」。関取最軽量(114キロ)を補う鋭い踏み込みから、左でまわしを奪う。間髪入れず出し投げを打つ。体勢を崩した妙義龍に抱きつき、身を投げ出すように寄り倒した。

 小よく大を制しての10連勝。八角理事長(元横綱北勝海)は「自分の小ささ(173センチ)を逆に利用している。相手は突っ込んでいけないし、嫌だろうね」と解説する。

 鳥取城北高、日大を経て大相撲入り。切れ味鋭い技で、すぐに十両に上がったが、卒業するのに10場所かかった。ところが、新入幕のふたを開けてみれば、一度も経験したことのない2桁白星を積み上げてしまうのだから、相撲は面白い。

 かつては付け人、今や土俵入りの露払いに出世した石浦の活躍にご機嫌なのが白鵬だ。優勝争いに水を向けられると、「それはもう、内弟子石浦)についていくだけです」と相好を崩した。

 今後、上位との対戦が控える石浦は「関係ないです。1日1回(相撲を)取るだけなんで」。無欲の快進撃、どこまで続くか。

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