上位指名でまたも成功

”14年ぶりのリーグ優勝を果たしたヤクルトのスタメンには、高卒野手がずらりと並ぶ。

高卒野手は成功すれば長くレギュラーを張れる。
ただ、どの球団も即戦力投手を何より優先、育成が必要な彼らの獲得は二の次になる傾向がある。
ヤクルトはしかし、これと見込んだ高卒野手をリスク覚悟で上位指名してきたことが成功につながった。

「ヤクルトは才能があると見込んだ選手を入団当初から、二軍でじっくり経験を積ませ、簡単にクビにはしない。
その象徴が畠山と雄平だろう。2人は打撃に光るものがあったが、特に守備面に課題があった。
セは指名打者がなく、守備が悪ければレギュラーにはなれない。畠山は当時の小川二軍監督(現SD)が『守備、走塁は一軍になかなか推薦できる状態ではなかった。
いかに一軍で商品価値を認めてもらえるかを考えていた』と言っているし、雄平についても当時の真中二軍監督(現一軍監督)が、二軍で打撃の結果を残しながらも『打者転向が(プロ8年目と)遅く、守備で致命的なミスをすればいよいよ失格の烙印を押される』と一定の守備力を身につけてから一軍に推薦している。
二軍の指導者が一軍昇格のタイミングをしっかり見計らっていることも大きい」”

即戦力を求めるのはもちろんのことですが、長い目で見て最終的にとても優秀な選手になるよう、成長の場を与えたり経験を積ませたり。
そういったことも、球団や監督、コーチの仕事としてとても重要なんじゃないでしょうか。