福士加代子選手 「もう、やんねー」

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「金メダル獲れなかったー。ホント、しんどかったー」
両手を上げてゴールしたのは、せめてもの意地だったのか。ゴール直前に1人を抜いたのは、ランナーとしての執念と本能だったのか。福士加代子選手が14位でフィニッシュ。メダルを期待された初めての五輪マラソン、集大成のレースは惨敗に終わった。

レース後、天真らんまんな福士らしく、絶叫し、そして泣き笑いした。強い日差しの中、一度は先頭集団から離されながら、再び食らいついた。21キロ手前から失速…。それでも、最後の最後まで諦めなかった。

トラックの女王の異名を取る天性のスピードを持つゆえにマラソンで苦しんできた。初挑戦だった08年1月の大阪国際は30キロすぎで大失速。スタミナ切れで合計4度転倒し「生まれたての子鹿になっちまいましたね」と自嘲した。

 普通の選手ならば力を抑えられるところで抑えられない。シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんは「スピードが体に染み込んでいる彼女の場合は、速すぎるがゆえに力を使い切ってしまっていた」と語っていた。ロンドン五輪選考会も失敗。初マラソンから7年が過ぎ、今回ようやく憧れの舞台にたどり着いた。

 しかし、強い日差しを浴びながらのリオ路は予想以上に過酷だった。挫折と故障を乗り越えてきた天才ながら、公言していた「世界の1等賞」を獲ることはできなかった。だからといって、福士に悔いや、やり残した思いはどこにもない。レース直後に「こんなに頑張ってきた自分を褒めてやりたい。特別な時間でした」と振り返ると、今後のマラソン挑戦を問う声にも「もう、やんねー」と繰り返した。全力で駆け抜けた42・195キロ。日本女子マラソンの復活に足跡はしるせなくても、記憶に残るランナー、福士加代子選手は日本列島に鮮烈な姿を焼き付けた。

五輪出場前にも色々とお疲れ様でした。ゆっくり体を癒して下さい。


以上、今日の梶原吉広おススメニュースでした!!